ソファは種類も価格帯も多種多様で購入する時に迷う方は多いです。
しかし購入するならデザインはもちろん、座り心地やサイズも満足いくものを手に入れたいところ。
しかし、意外と見落としがちなのが『サイズ』『内部構造』です。
実はこの二つのポイントさえ抑えておけば通販で購入する時に失敗を防ぐ事ができます。
・購入前に注意しておきたい事
・通販でソファを購入しても大丈夫か
家具業界で働く筆者が選んだオススメのソファについてはコチラ!
【コスパ抜群】オススメのソファ最強王者決定戦!
目次
ソファを選ぶ時のポイント
・ソファのサイズを確認する
・生地を確認する
・内部構造を確認する
特に大切なのは『サイズ』『内部構造』です。
デザインと価格は人によって好みが変わります。しかし、サイズと内部構造はどんなソファにも関係なく座り心地と耐久性に直結します。
その為サイズと内部構造は慎重に確認する事をオススメします。
詳しくは順を追って解説します。
1.ソファのタイプを選ぶ
まず好みのソファのタイプを選びましょう。ソファのタイプは9種類あり、特徴や使いやすさも異なります。
正直、ソファのタイプはデザインも関係しますし好きなタイプを選べば問題ありません。
しかしそれぞれのソファのタイプの特徴を理解した上で選ぶことで失敗を防ぐ事ができます。
パーソナルソファ
パーソナルソファとは1人掛けのソファの事をいいます。1人でゆったりと座りたい方や狭い場所での使用に向いています。
デザインもさまざまで、肘付き、肘なし、オットマン付きなどがあります。
ラブソファ
ラブソファとは2人掛けのソファの事です。2人で座れる事を前提としていますが、2.5人掛けと呼ばれる幅広のタイプもあります。
2人掛けのソファは1人暮らしの方にも人気があり、店頭で販売しているソファの中ではもっともバリエーションが豊富にあります。
コンパクトサイズもあり部屋が狭い場合でも対応できるラブソファもあります。
3人掛けソファ
3人掛けのソファは幅が2mを超えるものが多く、置く場所を選ぶソファです。
2人で座る場合も間隔を開けて座れる為、圧迫感を感じずゆったり座る事ができます。
コーナーソファ
コーナーソファはL字で設置するソファの事をいいます。
部屋の角に置く事で落ち着く居心地の良い場所にする事ができます。
隣に座るのではなく、離れた位置で座る事で自然な姿勢で会話もしやすいメリットもあります。
カウチソファ
カウチソファは座面の奥行きが長いソファの事をいいます。
別名シェーズロングソファとも呼ばれフランス語で『長椅子』という意味があります。
足を伸ばしたり、横になって休む事ができるので一般的なソファよりゆったりと身体を休める事ができるのが特長です。
部屋の広さに余裕がある方はもっともオススメのタイプのソファです。
フロアソファ
出典:LOWYA
フロアソファは脚フレームが付いていない、座高が低いタイプのソファのことです。
高さがない分、圧迫感がなく部屋を広く見せたい時に効果的なソファです。
ローテーブルや、こたつとも合わせやすいですが、一般的なソファに比べて『立つ』『座る』の動作がしづらいのがデメリットです。
フロアソファは座高が低い為、こたつに合わせて使えるメリットがあります。
ソファベッド![]()
出典:LOWYA
ソファベッドは背もたれと肘を倒してベッドにする事ができるソファのことをいいます。
2通りの使い方ができるので便利ですが、一般的なソファに比べて本体内部の構造が複雑です。その為ソファ、ベッドとして繰り返して使う頻度が高い場合は壊れるリスクは高くなります。
オットマン
オットマンはソファの前に置いて足乗せとして使用します。足を伸ばして座る事でよりゆったりと座る事ができますが、スツールとして単体で使う事もできます。
足置きとしてオットマンを使用する場合はソファの座面と同じ高さを選びましょう。高さが合わない場合は使い心地が悪くなってしまうので注意が必要です。
2.ソファのサイズを選ぶ
ソファのサイズ選びは冒頭でも解説しましたがとても大切です。
サイズ選びは『座りやすさ』と『部屋に問題なく置けるか』に直結します。
基本的な部分として、まずはソファの外寸を確認して部屋に置けるか確認しましょう。その際に玄関に入るか、廊下やエレベーターに入るかの確認を忘れずに行いましょう。
・ソファの内寸(座面の幅と奥行き、背もたれの高さ)をチェックして座りやすさを確認
ソファの幅について
上図が標準的なソファの幅です。
幅は肘まで含めていますが、座る部分の座面の幅は1人あたり60cmが目安です。
60cmより大きくなる程ゆったり座る事ができますが、その分本体の幅が大きくなります。
限られたスペースでソファを置く必要がある場合は肘の幅が細いものを選んで、なるべく座面の幅を広く確保する事でゆったり座るという方法があります。
ソファの高さについて
ソファの高さは座りやすさに直結しますので大切なポイントです。
高さには『座面の高さ』と『背もたれの高さ』の2種類があります。
座面高さについて
床から座面までの高さについて解説します。
高さが低いほど視線が下がり、まったり座る事ができます。逆に座面までの高さが高いほどしっかり座る事ができます。
座面までの高さが20cm以下 | フロアソファ |
座面までの高さが30~35cm程度 | ローソファ |
座面までの高さが35~40cm程度 | 一般的なソファ |
一般的なソファとして、もっとも座りやすい座面高さは35cm~40cm程度です。
ソファは座面のクッションによっては大きく沈む場合がありますので、多少高くても座ってみるとちょうど良い高さになる場合もあります。
冬、こたつにも合わせて使いたい方は『フロアソファ』がオススメです。
背の高さについて
25~30cm程度 | ローバック |
40~50cm程度 | ミドルバック |
60cm以上 | ハイバック |
背は高いほど、頭をもたれる事ができてリラックスできます。40cm程度のミドルバックにヘッドレストを取り付けてハイバックにできるソファもあります。
しかし背もたれが高いほど圧迫感が出てしまいますし、低すぎると背中が緊張してゆったり座れなくなってしまいます。このあたりのバランスを考えたサイズ選びが大切です。
後頭部を背もたれに預けてまったりと座りたい方は背もたれの高さは45cm以上あると良いでしょう。
ソファの奥行き
座面の奥行き | 座った時のイメージ |
45~50cm | まっすぐ姿勢を正して座るイメージ |
50~55cm | やや後傾姿勢〜ゆったり後傾姿勢 |
60cm | あぐらをかいて座れる |
座面の奥行きは一般的に45~60cmくらいまでです。
奥行きが浅いほど姿勢を正して座る為、しっかり座るイメージ。
奥行きが深いとまったりくつろぎやすくなりますが、深すぎても膝の裏側があたって座りづらくなってしまいます。
一般的にオススメの座面の奥行きは50cm〜55cm程度。
人により身長は異なりますので、誰にとってもベストなサイズを出すのは難しいですが、ゆったり座りたいなら55cmはあった方がいいでしょう。
ソファの上でよく体勢を変える、あぐらをかきたい方は座面の奥行きが60cmあると座りやすいです。
内部の構造を確認する
サイズの次に大切な事、それはソファ内部の『内部構造』。
ソファの内部構造は座り心地だけでなく、耐久性においても大きく影響します。
内部構造は外観だけでは確認できませんので、多くの方は内部構造を気にせずにソファを購入します。
しかし、デザインは良くても内部構造がひどいと不具合が出やすかったり、すぐに壊れてしまう原因にもなります。
安いソファほど中身はスカスカ、高いソファほどしっかりしている傾向にあります。
座面のウレタンの真下に配置されるソファにとって『骨』となるバネの種類と直接座り心地に影響を与える『ウレタン』について解説します。
【内部構造】バネの種類を確認する
バネの種類 | 特徴 |
ウェービングテープ | 程よい弾力性がある |
Sバネ | 反発力がなくやや硬め |
ポケットコイル | 反発力がある(ベッドにも使われている) |
ウェービングテープ+Sバネ | 程々の弾力性、耐久性に優れる |
合板のみ | 耐久性は高いが弾力性がなく硬い |
高級ソファにも使われている『ウェービングテープ』がもっとも普及しています。
合板のみのソファはクッションが上に乗っているにしてもお尻の底打ち感を感じる為、あまりおすすめできません。
ウェービングテープ
座面や背もたれの木の骨組みにウェービングテープが張り付けてあります。
ウェービングテープの特徴は軽く、座った時の音も静かで、コスト的にも優れているという事。
しかしウェービングテープといっても素材や太さ、張り方によって座り心地と耐久性が異なります。
一般的にウェービングテープを使ったソファは安物で弱いと思われていますが、一概にそういう訳でもありません。
長期間保証付きの高級なソファでもウェービングテープが使われているものもあるからです。
ポケットコイル
ポケットコイルは弾力性と耐久性があります。袋に入ったコイルが独立しているので座った時のフィット感が得られやすいのが特徴です。
ベッドのマットレスによく使われている素材でもあります。
反発力がある為、好みは別れますがお尻の底打ち感は感じにくく、慣れてしまえば好感が持てる種類でもあります。
Sバネ
Sバネは波状の銅線を多くのソファで使用されています。反発力がない分、ポケットコイルに比べて弾力性はありません。
しかしポケットコイルに比べて座面を薄くできる為、幅広いデザインに対応できます。
座り心地はやや硬め。Sバネとウェービングテープを併用したソファもあります。
【内部構造】ウレタン(クッション)の種類を確認する
ウレタンの種類 | 特徴 |
スラブウレタン | 一般的。密度により柔らかさ、耐久性が異なる |
モールドウレタン | 良質。弾力性、耐久性にも優れる |
チップウレタン | 安価。端材の寄せ集め。かなり硬い |
複層ウレタン | ウレタンを幾層にも重ねる事で座りやすさと耐久性を向上 |
フェザー(鳥の羽根) | 背もたれによく使われる。ソフトな感触 |
ウレタンは安いソファほど『チップウレタン』のみが使われ、高級なソファほどウレタンを複層に重ねて座り心地と耐久性を向上させています。
フェザーはウレタンではありませんが、背もたれにフェザーが使われているソファは背当たり感がソフトで座り心地も良くオススメの素材の一つです。
スラブウレタン
スラブウレタンはもっとも多くの椅子、ソファに使われています。分かりやすくいうとスポンジの事です。
一枚岩状のウレタンを切り出して、座のクッションや背のクッションに使われます。
長期間使っているとヘタリが生じてきますので、なるべく同じ場所に座りすぎないでおくと長く使う事ができます。
モールドウレタン
モールドウレタンは鋳型(金型)の中でウレタンを膨らませて自由に形を作る事ができます。
スラブウレタンより弾力性が高く耐久性があります。お尻に負担を掛けにくいような形状にするといったスラブウレタンでは不可能な形状にする事ができます。
チップウレタン
チップウレタンとはスポンジ端材を再生して圧縮、接着して作られたものです。
へたりにくいですが、かなり硬い為チップウレタンだけのソファはおすすめできません。
合板ベースの上にチップウレタンだけ敷いてあるソファは硬く、長時間座っているとお尻が痛くなりやすいので、おすすめしません。
複層ウレタン
複層ウレタンとはウレタンを重ねる事で座り心地と耐久性を向上させています。
高級なソファほど、このウレタンが幾層にも重ねられていて良質な座り心地になります。
フェザー
フェザーを使った背もたれの内部の写真
フェザーとは鳥の羽根の事をいいます。
フェザーはウレタンより更に柔らかく、軽やかな座り心地です。最近のソファはこのフェザーを使ったソファが増えてきました。
座り心地がソフトで人気がありますが、フェザーは日々のメンテナンスが必要です。
フェザーはウレタンと違って、座った時の動きにより内部で羽根が動きます。動いて偏りが出ることで座り心地が悪いと感じたり、ヘタっていると感じてしまうことも。
時々フェザーを動かしたり、軽く叩いたりして整えることで座りやすさを維持することが出来ます。
背もたれにフェザーが使われているソファは背あたり感もよく、背中が痛くなりにくいのでオススメです。
ウレタンの密度について
ウレタンの密度はソファを購入する上ではそこまで気にする必要はありません。
なぜなら、通販でもそこまで公開しているショップは少なく、店頭で販売している店員やメーカーですら把握していない場合もある為です。
ウレタンは密度よりも種類と厚みに注意すれば、とりあえず問題ないでしょう。
但し高級ソファを購入するのであれば、店頭で実際に確認してみる事をオススメします。
ウレタンの密度は低いほどへたりやすく、耐久性は低いです。逆に密度が高いほどへたりにくく、耐久性が高いです。
一般的なソファの密度は20~30Kg/m3。安価なソファで20Kg/m3以下もあり、数値が低いほどヘタりやすくなります。
30Kg/m3以上のウレタンは高密度ウレタンと呼ばれ、高級ソファによく使われています。
生地の種類を確認する
生地の種類 | 特徴 |
布 | 安価で耐久性は良い。汚れは落ちにくい |
合成皮革 | メンテナンスしやすいが耐久性はそれほど高くない |
本革 | 上質だが定期的なメンテナンスが必要 |
生地の種類はおもに3種類。
それぞれにメリット、デメリットがある為、特徴を理解した上で選びましょう。
同じ生地の種類でもグレードによって特徴は異なります。ここでは一般的に普及している生地を基準として解説します。
布のメリット、デメリット
・低コスト
・座っていても蒸れにくい
・柔らかくソフトな印象
・カジュアル感が強く、本革のような高級感は演出しづらい
・汚れ、シミが付きやすい
・低品質だと毛玉が出来やすい
布のソファのメリットは安価で手に入りやすいですが、汚れやシミが付着しやすくメンテナンスがしにくいというデメリットがあります。
このデメリットをカバーする方法があります。それはカバーリングタイプのソファを選ぶという事です。
小さな子供や犬などペットを飼っている家庭では汚れや毛が気になるところ。
特にシミ汚れは付着してしまうと、なかなか落ちません。そういった場合にカバーのみ購入して交換できるのでカバーリングタイプは便利です。
合成皮革のメリット、デメリット
合成皮革にはPVC(ポリ塩化ビニール)とPU(ポリウレタン樹脂)の2種類あります。
・多くの合成皮革は中性洗剤を使ってメンテナンスできる
・本革に比べて安価
・バリエーションが豊富
・色誤差がほとんど生じない
・本革に比べると安っぽく見える
・通気性が良くない
実は合成皮革にはPVC(ポリ塩化ビニール)とPU(ポリウレタン樹脂)の2種類あります。
簡単に説明すると、PVCは安価で表面は硬く、PUはPVCより高価で表面は柔らかいという違いがあります。
本革に近いのはPUで別名フェイクレザーとも呼ばれています。
しかし、PVCは長期間の使用で表面の亀裂が入ったり、PUは湿度の高い場所で長期間使い続けると表面がボロボロになってくる場合があります。
本革のメリット、デメリット
・ほこり、ダニが吸着しにくい
・静電気が発生しない
・通気性に優れている
・経年劣化による色の変化を楽しむ事ができる
・質の低い本革もある為、見極めが必要
・定期的なメンテナンスが必要
・水に弱い
本革には主に牛革が使われます。牛革でも厚さや種類によって価格がかなり変わり、高級ソファほど厚みがあります。
一般的な本革の厚みは1mm程度。高級ソファは1,4〜3mm程度あります。
座り心地を確認する時のポイントと注意点
店頭で座り心地を確認する時のポイントと注意点について解説します。
・太ももは圧迫しないか
・背中は痛くないか
・リラックスできるか
座り心地を確認する時は必ず靴を脱いで、出来れば5分は座って上記の確認をしてください。
座のクッションは硬すぎず柔らかすぎないか
座のクッションは硬すぎるとお尻が痛くなり、柔らかすぎると深く沈み込んでしまって長時間座っていると疲れやすくなります。
程よい硬さがある座面が理想です。
太ももは圧迫しないか
座面までの高さは35~40cm程度が長時間の使用でも太ももを圧迫しません。
40cm以上あると太ももを圧迫しやすくなる為、注意が必要です。
座った時に太ももに圧力が掛かっていないかを確認しましょう。
背中は痛くないか
座ってもたれかかった時に背のクッションが硬いと背中が痛くなってきます。
座面は少し硬めが良いのですが、背もたれの硬さは柔らかい方がゆったりと座る事ができます。
リラックスできるか
リラックスして座れるか確認する為の方法は靴を脱いで、全身の力を抜いて座り、背もたれにもたれる事。
その時に身体のどこかが緊張しないか感じてください。そしてそのまま最低でも5分以上はお家にいる感覚で座り続けてください。リラックスできないソファは身体のどこかが緊張してきたりソワソワしてきます。
しかしリラックスできるソファは同じ姿勢で長い時間座っていても楽に座っていられます。
失敗しないソファの選び方まとめ
・ソファの座面サイズ、背もたれ高さを確認
・内部構造を確認、特徴を理解しておく
・生地の種類の確認と特徴を理解しておく
ソファはデザインと価格が大切です。しかしそれだけで選んでしまうと失敗してしまう原因にもなります。
ソファは『サイズ』『内部構造』によって座り心地と耐久性が全く異なり、特にこの2つを抑えるだけで失敗を最大限に防ぐ事ができます。
通販で購入する時でも、デザインだけでなくサイズと内部構造に気を付ければ失敗を防げます。